競技かるた部活動報告〜その40〜
2017.06.23
海城高校かるた部は、6/18(日)、池上本門寺で行われた、かるた甲子園こと高校選手権東京都決勝に参加いたしました。
試合に先立って池上本門寺を参拝し、勝利を祈願したのち、開会式でのくじ引きにより、トーナメントの組み合わせが決定いたしました。
トーナメントは写真の通りで、海城高校はシードを引くことができず、一回戦の筑波大附属との対戦となりました。
この筑波大附属戦は、二週間前の一次予選で対戦した相手でもあり、この試合に4-1で勝利した海城は、いよいよ二回戦の暁星高校戦へ駒を進めました。
暁星高校と言えば、昨年まで全国9連覇中、今年は10連覇がかかっているという、高校かるた界最強校であり、高総文や関東大会ではチームメイトとしても切磋琢磨してきましたが、学校対抗の団体戦では今まで一度も勝てたことがありません。この暁星高校に勝利しなければ全国行きはないという、二回戦にして正念場となる勝負が始まりました。
結果は、主将の板垣慧治と渡邉慶太(三将)が二勝をもぎ取り、2-2で並んで、最後の一勝を託されたのは、暁星高校の副将と対峙した鹿野幹人(四将)でした。壮絶な取り合いが続く中、暁星のナンバー2に必死に食らいついてきた鹿野が、ついに逆転したのは試合の最終盤でした。チームメイトや観戦者が息を詰めて見守る中、鹿野はギリギリのリードを守りきり、最後は二枚差で海城の歴史的勝利を決めてくれました。
決勝戦は、すでに桜修館高校を降した駒場高校、数年前まで暁星高校とともに東京都代表の二枠を長く独占していた古豪です。
二回戦の暁星戦で死力を尽くしていた海城にとっては非常に苦しい戦いでした。
すでに二戦を戦ってきた疲れと、ついに暁星を降したという安堵で緊張がいったん切れてしまったこと、一枚ごとに他校の激しい声掛けが飛び交う団体戦の慣れない環境で、一音一音に新たに集中し続けなければならないことによる極度の消耗…。非常に不利な条件が重なる試合だったと思います。
まず一勝を挙げて勢いに乗る駒場と、絶対に負けられないという焦りの見える海城、渡邉が持ち前の冷静さで押し切って一勝を挙げ、さらには先ほどの暁星戦勝利の立役者、鹿野が中盤までにかなり枚数差のあった相手リードをひっくり返して執念の逆転勝利を挙げて海城二勝、またしても2-2で、勝負は最後の一組、鈴木虎次郎(副将)に託されました。
この試合、序盤から相手リードを許し、中盤にはもう無理かと思われた試合運びでしたが、後半に入ってからの怒涛の追い上げを見せ、「逆った!!」(逆転したの意)の声が上がったときには海城チームから歓声が湧きました。しかし、リードするまでには一歩届かず、最後はお互いに持ち札が一枚となる運命戦にまでもつれ込み、相手陣が読まれての、たった一枚差での決勝敗退となりました。
昨年の高校選手権での中津南戦を彷彿とさせるようなこのまさかの運命戦負けに、海城チームはもはや言葉もなく、ただただ悔し涙を流しました。
結果は、一次予選で優勝していた白鷗高校が優勝、駒場高校が準優勝で、この二校が今年の東京都代表として全国に出場します。海城高校は三位で銅メダルに終わりました。
「東京都三位」は十分に誇るに足る輝かしい成績ではありますが、一年間全国出場のためにひたすらに練習を重ねてきた生徒の無念さを思うと、本当に胸が痛くなります。
しかし、閉会式のあとの、板垣の言った、「こんなに悔しくて辛い思いを、もう二度としたくないっていう思いが、これからの人生できっと支えになる」という言葉は、かるたに賭けた青春は無駄ではなかったと、皆に思わせる、真に力強い言葉であったと思います。
また、高2の部長吉田匠、副部長伊藤知隆をはじめとする、これまで先輩の背中を追いかけてきた後輩たちにとっても、この試合を間近で見られたことは、非常に大きな経験になりました。それぞれが今回の無念を晴らすべく、決意を新たにしたこと思います。
この試合もって、チームとしての海城高校は三年生が引退となりますが、次世代の選手たちで、また新たに「強い海城」を創り上げていってほしいと思います。
海城かるた部の全国出場を応援してくださった保護者、教職員、生徒の皆様、このような結果になってしまいましたが、暖かく支えてくださってありがとうございました。これからも、新生海城かるた部をどうぞよろしくお願い申し上げます。
また、個人では、8月の高総文に板垣、鈴木、渡邉が東京都代表として出場しますので、そちらも見守っていただければ幸いです。